通学路

朝、目がさめる。

二回目の目覚め。

仕事の夢を見た。

そこでは自分はいい人として描かれていた。

忘れた仕事を思いだし、急いで会場へと戻っていた。

普段の自分ならできないことを簡単に成し遂げて自慢していた。

場所と内容が一致していないのも夢だからこそかもしれない。

今の仕事が夢の内容。

だが、場所はかつて自分が住んでいた場所だった。

小学生の頃、長い時間を過ごした場所。

 

今振り返ってみると、信じられないことがたくさんある。

小学校までは片道一時間ほどかかっていた。

もちろん歩き以外の選択肢はなかった。

小学生とひとくくりにしても、6年間の差がそこには存在する。

よく六年も通うことができたと思う。

毎日二時間ほどの時間を通学にかけて。

今思うと、頼まれてもそんなことはできない。

何も考えていなかった、理解していなかったからこそできたのかもしれない。

嫌いだったわけではない。

好きでもなかったと思う。

とにかく何も考えていなかったのだろう。

結果として、6年間ほど、往復二時間ほどの通学路を歩き続けたというわけだ。

それはすごいと思うが、誰が讃えるわけでもないし、自分で自分のことを褒めようと思わない。

 

通学路。

いろんなポイントが頭に浮かんでくる。

毎日一歩一歩歩いていたのだから、覚えざるをえないだろう。

田んぼの緑が頭に浮かんでくる。

もう一度あの道を歩いてみたいなと思う。

今なら自転車か車で道を謎てみるほうが現実的だし快適だと思うのだが。

住んでいる間にも道は大きく変わった。

どんどん道が整備されていった。

工事が行われ、道は綺麗になった。

安全になって、自然の景色がどんどん減ってきた。

お店が新しいものに、絶え間なく変わっていく。

移転をするお店もあったし、潰れてしまったお店もあった。

天気のいい日しか思い出すことができない。

 

過去についてこんなにゆっくりと考えるのはとても久しぶりだ。

公衆電話が、ちょうど真ん中くらいにあった。

当時は貴重なものだった。

携帯電話が登場する以前の頃だったから。

緊急のお金を少しだけ持っていた。

一度か二度、家へ電話をかけたことがある気がする。

何かのヘルプサインだったのだろう。

体調が悪くなったのではないだろうか。

自分一人では帰宅することができなくなったので、電話せざるをえなかった。

そんなことがあった。

今ではもう、なくなっているだろう。

その近くの畑に自転車で半回転して落ちたこともあった。

今、元気でいられることに感謝。

 

 

2017.2.16

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